出会い交流ハーモニー3

トロント公演

暖かい拍手に感激
演奏会前の不安和らぐ


 いよいよトロント公演。会場はCBC放送センターの中にあるグレングールドスタジオ。安全対策のため、受け付けで個人の入所許可証を受け取ります。色彩の鮮やかな内装の放送センターですが、スタジオ内はとても落ち警いた雰囲気です。
 少し緊張気味の団員たちの表情。ウオーミングアップに続いてリハーサルと時間が進むに連れて、周りの空気に慣れてきたようです。スタッフの方たちの協カもあって、照明を入れたリハーサルも着々と進んでいきます。
 軽食を取った後、いよいよ演奏会です。ステージに上る直前、トロントで初めて演奏する楽しみと不安がよぎります。
 初めて見る聴衆の顔には、期待と好奇心の色がうかがえるようです。その中には、シェーファー氏の姿も。彼の姿を見たことで不思議に気負いも和らいでいくのが感じられました。
 一曲目の「Magic Songs(魔法の歌)」を歌い終えた後の、温かい拍手は忘れられません。不安はもうどこにもありません。曲を一つ一つ歌い終えるごとに聴衆と団員が、この出会いの時を分かち合い、楽しんでいるのが手に取るように感じられました。
 「十七の俳句」を歌い終え、スタンディングオベーションを受けた時は、感激で涙があふれてきそうでした。聴衆や団員という区別はなく、互いにこの瞬間を喜び合っているようでした。カナダに来て、本当によかったと思いました。