出会い交流ハーモニー6

教会で響く歌声

高い天井に反響
ベストの演奏で至福の時


 公演の日の朝です。練習は午前十時から。少し郊外にあるライアソン・ユナイテッド教会がきょうの会場です。トロントの近代的なスタジオとは対照的に緑あふれるところで、教会内には自然の明かりがステンドグラスを通して差し込みます。放たれた音は天上高い空間で、まるでもてあそぱれるように反響する素晴らしいところでした。
 この会場に、きょうの公演がすてきな演奏会になる「予感」を感じたメンバーもいることでしよう。
 午前の練習は二時間。別会場で俳句シンボジウムが開催されるなど、特に注目された合唱曲「十七の俳句」。リハーサルは午後の三時半からだったので、昼食後は、教会の近くを散策する自由時間になりました。
 上着も必要ないくらいの陽気だったかど思えぱ、突然の激しい雨に見舞われる天侯。でも、あっという間に湿気のない心地よさが戻ってきました。
 開演は午後七時半。まだ明るかった屋外も、演奏が進み「十七の俳句」のころには、とっぶりと暮れて、曲の内容通りの自然な時と天候の移り変わりを肌で感じながらの第一声でした。
 プロのバンクーバー室内合唱団をはじめ、活躍する作曲家、歌い手たちら多くの合唱ファンで、会場は二階席まで埋まりました。 
アンコールに「あかとんぽ」を一増やし、静かなハーモニーに包まれた最後の曲を終え、温かな拍手を浴びます。「ベストな演奏ができた」。充足感とともに私たちは至福の時を感じていました。
幻想的な雰囲気の中歌声を披露するメンバーら