ファイアー


ここでもう5月2日の朝に飛んでしまうのが普通なのでしょうが、(こんなエピソードまで書いてるからどんどん長くなっていってしまうカナダレポートですが)まだその夜です。

ツーリストの添乗員さんに
「今夜も飲みに行くのですか?」
と聞いたら、夕べを思い出してか(笑)
「え?え??え???行きません!!」
「夕べの人らなんだか今夜も飲みに行くぞー!って言ってましたよ」
というと、一目散に(笑)部屋へ戻っていかれました。(^_^;;
睡眠が健康の素です。

・・・とはいうものの
「5時半モーニングコール・6時荷物出し」
うーん、ほとんど寝れないじゃないか・・・。
(夜八時からの演奏会、2時間足して、レセプション小一時間足すと、この段階でもう日が変わるか変わらないかという頃だったと思います)

4日間もお世話になりしたい放題の部屋を思い出しながら・・・
途方に暮れる僕でした。

部屋に戻り、ほぉーーーーーーーーーーー。
っと落ち着くとなんだか空腹な事に気が付きました。
朝からバタバタと過ぎていった一日、昼過ぎからはずっとビルに缶詰でしかも演奏会前はそんなに食べていないし、レセプションでは緊張も手伝ってアルコール以外ろくに口にしていないことに気が付きました。

困ったときのコンビニ、コンビニ!!
と、パンかお菓子か買いに行こうとしていると、スピーカーからなにやら妙な音が、

てれてれてれてれてれてれてれてれてれ・・・・・・

緊張感のない音が止まらない。

てれてれ・・・

そのうち廊下ではなにかざわざわと・・・。

え?これ非常ベル??嘘ぉ?これが??

英語でなにやら放送が入る。
よく分からないけど、待っていろという。

こんな場合もっと緊張感が走るのだろうけれど、警告音の情けない音(日本のようにすごい音が鳴らないのですよ)と(英語が分かるであろうと思われる)外国人の方も特に避難する様子もないし、どうした物かとそのまま待機しながらでも、逃げられるような服を着て、パスポートなど最低限の物を鞄に入れる。

・・・このとき役に立たなかったモバイルコンピューターに目がいき、こんな物もって逃げたら末代まで(笑)言われ続けるに違いない!と、スーツケースの中にお別れを言い(笑)閉めました。(とある指揮者は本日会場で頂いた演奏DATテープだけはちゃんとポケットに入れていたという)

まだ大騒ぎになっている様子もないけれど、どんどん廊下には人が集まり、お子さま連れの「うたおに」のメンバーが抱きかかえて非常階段で下りていく姿が目に留まりました。
「アテンション、アテンション・・・なんとかかんとか」
某メンバーの旦那曰く「なんだか原因を調べてるから落ち付けって言ってるんじゃない?」

でも、この緊張感のない警告音もこれだけ長く鳴り続けると神経を逆なでされるのかだんだん不安になってくる。
そうしてスピーカーからは」

「アテンション、アテンション、ファイアー!!・・・・・」

「え?火事?嘘、今頃言うなよ?はぁ?ほんま?」
やっぱりどんな場合もちゃんと降りておくべきだったかと結構焦ったのですが(僕らは十数階の部屋でした)すぐに添乗員さんがやってきて(洗い髪も乾かさないですべてのメンバーの階を回ってみえたようです)
「大丈夫です。下でしていた工事のトラブルで火災報知器が鳴ったようです」

・・・非常ベルも止まりました。

「さっきのファイアー!!ってなんだったの?」

しかし、国外なんだから何が起こるか分からず、こんな場合すぐにでも逃げるべきなのでしょうね?
実際他の階のメンバーはたくさん下までそのままの格好ででも降りていたようです。
お風呂に入っていたメンバーもいたようです。

・・・しかしあのまま飲みに行くと言っていた連中はこの騒ぎ知らんだんかい?
と、笑ってしまいました。
(結局時間が遅かったので外へは飲みに行けず、下にいたらみんなが色んな格好で降りてきて目を丸くしていたようです)

うーーーーーーーーーーん。
ファイアー、ファイアー・・・
ファイアー歌わんだ呪いかいな??

一部のメンバーではそうささやかれていました。
(いや使ってもらえなかったカスタネットの呪いかもしれない・・・)

続く