夕暮れの俳句のリハーサル


 自由散策時間も終わり、三々五々とお昼ご飯を頂いた施設にメンバーは戻ってきました。

(昼食休憩より)さらにくつろぐ姿はほほえましく、テーブルにうつぶせ熟睡(?)するメンバーも・・・。
それぞれにこのバンクーバーの空気を楽しんでました。(とてもこの後最後のリハーサルをして本番を迎える姿には見えませんが・・・
(^^;
メンバーがだいたい集まった時点でまた演奏会場となる隣の教会に移動です。

すぐさっき終わったという日本人カップルの結婚式、その模様を事細かに話し出すメンバー。

「いや、ただのミーハー結婚式かと思ったら、なんや、ちゃんとバンクーバーに縁のあって、しっかりした子らやったわ〜。・・・あーだ、こーだ・・・」
・・って、あなたら、ちゃんと話しかけたのね・・・きっと、芸能レポーターのごとく・・・。(^^;

ここからのリハーサルは「17俳句」のみ。照明も入るので、そのお手伝いをしてくださるスタッフの紹介がありました。

トロントのときのようなスタジオではないので、色の付いた本格照明ではないのですが、今回のためにスタンド照明を用意してくださいました。
・・・電灯オンオフは電源コードを引っこ抜く
??
しかもスタッフは一人しかいない???
・・・ということで走り回りながらでも、精一杯のことをしてくださると紹介されました。

・・・しかし、上下(かみしも)の照明どうやって操作するんだ・・・?・・・火事などしませんように・・・。(笑)

照明を使うとは言っても教会にはたくさんの窓があってすべてをふさぐことは出来ません。
明かりがたくさん入ってきます。
当日の天候や日の落ち方で明かりがどれだけ落とせるかが分からず、「17俳句」冒頭の「夢乱歩・・・」は、どんな状態で始められるのかそのとき勝負です。
開演時間は遅いンだけどなにしろ日が長く、僕らでは想像できないものでした。

けど、いい感じで日が暮れてきています。きっと演奏会が始まる頃は、俳句が始まる頃は、自然の暗闇で歌えることでしょう。


「俳句」のリハーサルが進み、女声ソロの「虫の声」は教会通路を歩きながらやってみると音像が動き実に面白い。

終曲のソプラノソロは二階席から歌うことにして、ソリストがちょうど夕闇のなか背中からステンドグラスの明かりを受けてシルエットに見えます。
本番はたぶん真っ暗になるからもう見られない、まるでマリア様のようなシルエットでした。

俳句の一通りの確認をして、最後にさっきの「ずぶ濡れわんちゃん同席(?)会談」決定事項、のアンコール追加曲「あかとんぼ」を一度だけ歌いました。

天高い教会全体になんていう響きがするのでしょう。

とつぜん降って沸いたアンコール曲には思えませんでしたね。(どうしてああいう場面だとみんなちゃんと周りの響きを聞こうとするのに、普段はそれができないんでしょうねぇ(ちょっと苦笑))

この演奏会で僕たちが立たせていただく山台はバンクーバーチェンバークワイアの持ち物で「MY山台」らしい。
コンパクトに一つ一つがカバンに入るようでちゃんと山台にはバンクーバーチェンバーの名前入り。
面白そうに見つめる一部メンバー。
すぐに真似したがる形から入るの大好きな方々・・・。


たのむからうたおに専用「MY山台」の購入だけはやめてくれ〜。


全てのリハ−サルを終えてあとは本番を残すのみです。
でもその前に食事!

すでに予約してあるというお店にぞろぞろと行列で歩いて向かいました。
着いたのはここでも中華料理のお店!
カナダに来るための(?)中国リハ−サルもそれほど無駄ではなかったのか(笑)やっぱりみんなとても嬉しそう。ほんとにリラックスしてました。
これがメンバ−みんなでとる最後の食事でしたし。

さすがに本番前、それぞれの事情で(?)準備もあるので、食事を終えたテ−ブルから演奏会の会場に戻りました。

僕はこのツア−の大蔵省メンバ−とおなじテ−ブルだったので最後までいました。

「こちらはもうお払いしてあるのでそのまま帰って大丈夫です」って聞いてたのに、帰ろうとするとお店からおとがめが…。

をいをい、
これから本番なのにこんなところでまた「カナダらしく」なるの?!
同行の通訳さん(まだ若い女性の方です)がいてくれて助かった〜。
(伝達が上手くいってなかっただけでした)

ほかのメンバ−は先行ってしまったのでその通訳の方とお話ししながらの帰り道、シェイファ−氏がくれた花や野菜の種の話題に。

シェイファ−氏は自宅では趣味で花や野菜を作るお方ですが、その規模はびっくりするようなものです。
とても趣味とは思えないものでした。(正確な数字は忘れたのですが、来日した時にお聞きしてびっくりしました)

「うたおに」が「俳句」の初演でおもてなしした時、ひとりひとりにシェイファー氏の(当時新しく書かれた)楽譜と共に、種の入った袋をいただきました。
それぞれ内容は違ったのかもしれないけど僕が頂いたのは南瓜(かぼちゃ)と豆とヒマワリの種でした。
量はそれほど多くなかったのですが、生産農家の長男としてはなんとしてもこれを収穫して名誉挽回(?)しなくては!と、固く誓ったのでした。(^^;

ぜったい蒔く時期をはずすまいと、本業よりうんと慎重に我が家の一角、ちゃんとビニ−ルハウスの中に蒔いたのです。
豆はなんだかだらだら伸びてきて沢山実を付けました。
ヒマワリはたしか一、二粒しかなかったのだけどひとつは大きな花を付け、それはあまりここらで見られない変わった花形を咲かせ楽しませてくれました。
南瓜は延々とツルを伸ばし、たくさんの花を付けさらにツルを伸ばし、楽勝だなと思ってたのに、一つ花が終わり、また花が終わり…、なんにも実を結んでくれない。
…南瓜に交配って、必要だっけ?
(♂♀)片方の花しかついてないンか?…と最後の最後の花まで気を揉ませながら、な−んにも実をつけてくれませんでした。
う−ん、、、悔しいぞ。

通訳の方もあの種をもらったことがあるらしく、
あれって実がつかなかったですよねー
の言葉にちょっと安心(?)したりして。(^^;

演奏会場に着き男声の控え室は・・・

懺悔室・・・?」
(うーん、さて、みなさん、なにお詫びしましょう?と、いそいそと着替えるのでした)

続く