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第38回うたおに音楽会

フレンチはお好き?

2013年8月2日(金) 
18:00開場/18:30開演


津リージョンプラザお城ホール



 





























   























 ここから、
解説が
長くなります
(熱弁)

 第38回うたおに音楽会は、フランス作曲家あるいは

フランス語の作品を並べた「オール・フランス・プログラム」

 好きな人はとことん好きな、そうでない人はそれなりに?

楽しめるプログラムになりました。


 フォーレの小ミサ曲は、本来は女声合唱曲。

 このほど出版された混声版を使用しての演奏です。

 冒頭1曲目は、ソプラノ・ソロから始まるキリエ。

 うたおに歴10年のK嬢の、初ソロ。

 音楽会の冒頭を飾るソロは、ただでさえ緊張するのに、

人生初のソロです。さぞかし緊張したでしょうが、

無事、大役を果たすことができました。


 オリヴィエ・メシアンの聖なる饗宴は、

この日久々に聴きに訪れた元副団長のオリバンさん(知ってる?)から、

お褒めの言葉をいただいた作品。

 フランスの鐘の音を表した編拍子と、メシアン独特のハーモニーが

永遠の聖を奏でます。


 ラングの神の子羊は、4人のソリストから成るセミ・コーラスと、

本体のフル・コーラスとの対比が特徴的な作品。

 やはり、ソロ・デビューとなったテノールのK頭さんのソロが光りました。


 前半の最後は、プーランクの悔悟のための4つのモテット

 第21回うたおに音楽会での演奏以来、21年ぶりの演奏となりました。

 難曲ゆえ、なかなか演奏されなかったのですが、

再演が指揮者の念願だったこともあり、力のこもった演奏となりました。


 後半の1曲目は、ジャヌカンの鳥のうた。

 皮肉たっぷりの歌詞に、鳥の鳴き声が混ざり、

前半の宗教曲とは違った楽しさがステージに広がります。


 サン・サーンスの2つの合唱曲は、

自然の様子を「静」と「動」で表した美しい2曲。


 そして、ラヴェルの3つのシャンソン

 筆者が初めてこの曲を聴いたのは26年前。

 先ほど登場したオリバンさんのアパートで

エリック・エリクソン指揮 スウェーデン放送合唱団の演奏でした。

 このラヴェル唯一の合唱作品を、26年後に歌えるとは

まさに感無量(だんだん熱弁)。



 1曲目の「ニコレット」は、童話にしてはシニカルな内容。

 1番では、少女「ニコレット」が、毎日夕方になると、

誘惑を求めて草原を彷徨う様子が歌われます。

 2番になると、ベースの演じる狼に招かれますが、

彼女は、一目散に逃げ出します。

 3番では、テナーの演じる美しい若者から愛を捧げられますが、

彼女は後ろ髪を引かれながらも、またしても家に引き返します。

 4番では、再びベースが演じる、猫背で呼吸困難の領主の求愛を、

ニコレットは拒むことができず(拒まず?)、胸に飛び込みます。

 次々登場するキャラクターの歌い分けがポイントです。


 2曲目は、楽園の美しい3羽の小鳥。

 一人の女(ソプラノソロ)が、戦争に行ってしまった

恋人のことを嘆いています。

 そして、恋人からの言伝を運ぶ、楽園の三羽が現れます。

 テノールソロは、青色の眼差し。

 アルトソロは、額への白い接吻、 

 ベースソロは心臓を流れる血の赤。

 そして、3羽の鳥は飛び去ってしまいます。

 それぞれは、フランス三色(旗)の象徴です。

 

 3曲目は、ロンド。

 1曲目と同じように、シニカルな道徳の話です。

 この曲のために、この名曲の演奏頻度は少ないのではないか?

 そう考えたくなるほど、森の妖怪の名前を

次から次へと、早口でまくし立てなくてはなりません。


 年老いた女が言います、少女たちよ、森に入ってはいけません、

そこはファウニやサテュロス・・・・がいっぱいいるのだから、と。

 年老いた男が言います、少年たちよ、森に入ってはいけません、

そこは妖精や女のサテュロスや・・・・がいっぱいいるのだから、と。

 少年たちと少女たちは言います、

 しゃくにさわるなぁ、

 あんたたちは・・・・・を皆追い払ったのではないか


 最後の曲は、ローリセンの薔薇のシャンソン

 こちらも約6年ぶりの演奏

 4曲がア・カペラで進行し、最後の5曲目にピアノが入るアノ瞬間が

何度やってもたまりません。


 アンコールの1曲目は、ミラボー橋

 フランスの詩人アポリネールの最も有名な詩が「ミラボー橋」。

 画家マリー・ローランサンとの、6年間の恋が終わった時の詩です。


 アンコールの2曲目は、フランス民謡「アヴィニョン橋の上で

 フォークダンスを踊るために作られた歌だけあって、

最後を飾るに相応しい賑やかな曲でした。


 

 
 ■関連情報■
うたおに音楽会の記録
 
 
  Program

フォーレ:   小ミサ曲(混声版) 
 G.Faure  Messe Basse   Anders Ohrwall 編曲
 1 キリエ Kyrie
 2 サンクトゥス  Sanctus
 3 ベネディクトゥス  Benedictus
 4 アニュス・ディ  Agnus Dei
 

メシアン:  聖なる饗宴よ
O.Messian O Sacrum convivium! 

 
 
ラング: 神の子羊 
R.Lang Agneau de Dieu 

 

プーランク:  悔悟のための4つのモテット 
F.Poulenc Quartre motets pour un temps de penitence 
 1 恐れとおののき我を襲い  Timor et tremor 
 2 わが選びし葡萄の畑よ Vinea mea electa 
 3 地の上あまねく暗くなりぬ Tenebrae factae sunt
 4 わが心いたく憂いて死ぬるばかりなり Tristis est anima mea


休憩


ジャヌカン:  鳥の歌
C.Janequin Le chant des oyseaux



サン・サーンス:  2つの合唱曲 Op.68
C.Saint-Saens Deux Choeurs Op.68
 1 夜の静けさ calme des nuits
 2 花々と木々 Les fleurs et les arbres


ラヴェル:  3つの歌
M.Ravel Trois Chanson
 1 ニコレット Nicolette
 2 楽園の美しい3羽の小鳥 Trois beaux oiseaux du Paradis
 3 ロンド  Ronde 



ローリセン:  薔薇のシャンソン
M.J.Lauridsen Les Chansons des Roses
 1 一輪の花 En Une Seule Fleur
 2 誰がために、薔薇よ Contre Qui,Rose
 3 夢に満ち溢れ De Ton Reve Trop Plein
 4 優美な薔薇よ La Rose Complete
 5 人はそう言う Dirait-on



〜アンコール〜

ミラボー橋 
LIONEL DAUNAIS  Le Pont Mirabeau

アヴィニョン橋の下で
フランス民謡 Robin Doveton 編曲